大ヒットを記録し、話題がつきないまま連載が終了した『鬼滅の刃』。主要人物だけでなく、敵である鬼も深い過去を抱えている所が魅力でもある作品です。
今回はそんな鬼の中でも上弦の壱・黒死牟の過去について紹介します。
アニメのみの視聴者の方にはネタバレとなりますのでご注意ください。
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黒死牟の過去とは?
黒死牟が人間だった頃の名前は巌勝といいます。継国家の長男として生まれました。
弟の名前は縁壱。跡目争いの原因になるので不吉だと言われていた双子として二人は誕生しました。
二人の兄弟は着るもの、部屋、教育など大きく差をつけられて育てられます。
長男である巌勝は継国家を継ぐものとして育てられていきました。一方弟である縁壱は三畳しかない小さな部屋を与えられるだけで、10歳になると寺へ出家させられることも決まっていました。
巌勝は笑うこともしゃべることもしない縁壱を、言葉を話すことすらできないのだと思っていました。いつも母親に引っ付いて離れることができない縁壱に対して同情もしていました。
しかし縁壱は7歳の時に稽古中だった巌勝に、突然声をかけてきたのです。しゃべることができないと思っていた縁壱から声をかけられ、巌勝は思わず木剣を落とすほどに驚きます。
それ以来、稽古中にうろうろするようになった縁壱は、巌勝に稽古をつけていた父の配下から竹刀を持たせてもらいます。
そして簡単に刀の握り方や斬り方を教わり、打ち込んでみろと言われた縁壱は、巌勝がどれだけ打ち込んでも一本も取れなかった父の配下に驚くほどの速さで4発打ち込み、失神させたのです。
縁壱は侍になることを望んではいませんでしたが、巌勝は縁壱の強さの秘密を知りたいと思いました。聞くと縁壱は生き物の体が透けたように見えるということ、それにより肺の動きや筋肉の動きを視ることができるのだということを教えてくれました。
それは生まれつき縁壱の額にあった痣と同じように、生まれつきの特別な視覚であるということも理解します。さらにそれに対応する身体能力も縁壱は持っている。
巌勝は、縁壱は自分よりもはるかに優れた強さを持っているということに気づいたのです。
黒死牟が鬼となったきっかけ・出来事
巌勝は弟・縁壱の才能に気づき、嫉妬を覚えながらも成長していきます。
幼くして寺へ出家した縁壱の行方はわからないまま年月は経ちました。
あるとき巌勝は野営中に鬼に襲われます。そこへ現れたのがたくましく成長した縁壱でした。
縁壱の剣技は磨かれ、人格的にも申し分なく育っていました。その力がどうしても欲しかった巌勝は、自身も縁壱と同じように鬼狩りになる道を選びます。
巌勝にも痣が出現し、呼吸を使うこともできるようになりましたが、縁壱と同じ日の呼吸を使うことはいつまでたってもできませんでした。
さらに痣が出たものが次々と亡くなっていき、痣者は長く生きられないことがわかり、自分には強くなる未来がないことに絶望します。
絶望した巌勝の前に鬼舞辻無惨は現れ、鬼になることで無限の刻を生きられることを教えられました。
こうして巌勝は鬼となる道を選ぶことになったのです。
鬼となってからも抱える縁壱への思い
黒死牟は小さなころから縁壱へ嫉妬し、憎悪を抱き続けてきました。
顔を見るだけで吐き気がするほど嫌いだった弟ですが、鬼になり何百年生きていてもその顔を忘れることはできませんでした。
黒死牟は縁壱になりたかったのです。
縁壱と同じ世界を見て、縁壱と同じ強さを手に入れたかったのです。
しかし妻子を捨て、鬼になってもその世界にたどり着くことはできませんでした。
黒死牟は最後まで縁壱への思いを抱えたまま死んでいくこととなります。
結論・まとめ
黒死牟は弟への嫉妬心から鬼になってしまった鬼です。強さというものを求めすぎてしまい、踏み入れてはいけない場所へ入ってしまいました。そしてその嫉妬から逃れることができずにずっと生きていくことになります。
自分で選んだ道ですが、とてもつらい道ですね。
縁壱のことは大嫌いだった黒死牟ですが、消滅した後は幼い頃の思い出の笛が着物の上に残っています。弟への感情が憎悪だけではなく、双子の兄弟としての愛しさもあったのではないかと思いたいですね。
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